2005年09月02日

今はもうない

森博嗣、講談社ノベルス、98年4月刊。8/31〜9/2に読みました。

最初に読んだ時は「してやられた!!(>_<)」と思った本ですね。
今回はその点に関してはわかって読んだので、ふぅん、
ここはそうやってひっかけようとしてるんだな、というのを追いながら読んでました。

この本はいつものように萌絵と犀川先生の視点(という言い方は正確じゃないかもしれませんが)で進む部分と、
この本で唐突に現れた笹木さんという男性の視点で書かれた部分があります。

この話がどの本だったか長い間忘れてたんですが、しばらく前に図書館で
「笹木」という名を発見した時に「これだ!!」と気付きました。
あぁ、これが「マリア様がみてる」と少しばかり似た趣旨で書かれてる本だ、って。
(あっちには殺人事件は起こってませんが・笑)


その辺の話はさておき、いつものように引用とコメントを。

那古野を出発してから既に二時間ほど経っていたが、萌絵はまったく疲れていなかった。
もともと車の運転が大好きだったし、それにもまして、犀川と一緒にいる時間は魔法と同じ。
今では、彼女の人生の目的ですらある。(p13)

いきなり熱烈ですね〜。
願わくは、その魔法が一生解けることがありませんように、ってところでしょうか。


「郡上八幡には一度だけ来たことがあるよ」
犀川は久しぶりに見える谷間を眺めながら言った。
「なかなか愉快な町並だ」(p13)

私も今の時点で一度だけ。中2の時のキャンプですね。
あの辺の町並の、どこが愉快なのかはさっぱりわかりませんが。


真っ白なワンピースで、真っ白い小さな日傘をした若い女が、川辺に立っていたのである。(p28)
ふっと、そういえば私も白いワンピースは持ってたっけ、と思い出しました。
あれはどこに行ったんだっけな……。


「今はもうないんです」萌絵は小さく肩を竦めて答えた。(p166)
深い意味はないんですが、こんなところにタイトルが出てるなぁ、とそれだけ。


「小指と小指が、目に見えない赤い糸で結ばれてるとか、いいますよね」
萌絵はわざと言ってみた。
「目に見えない、という日本語は重複している。見えない、だけで十分だ。
 それに、見えないのに赤いというのも矛盾している」
「顕微鏡で見れば赤いけど、細すぎて見えない、という意味です。矛盾はしていません」
「この議論は不毛だ。話を変えよう」(p169)

何となく、読んで笑ってしまいました(笑)
すごいなぁ犀川先生と萌絵のセンス。
別に「目が見えない」は普通だと思うんですけどね?


男女が親しくなり、多少でも馴れ馴れしくなると、お願いの言葉の構文がすべて、
反語あるいは疑問形の形態をとるようになる。(略)
「お茶を淹れてください」と依頼する言葉の代わりに、
「お茶でも飲もうか?」とつい言ってしまう既婚男性が、私の知る限りでも少なくない。
それが親しみの表現だと、全人類が感じる保証はない。
言葉とは、本来の意味に解釈されるのが原則だからだ。(p199)

いや別にいいんじゃないんですか?と思ったんですがどうなんでしょう。
前者はやっぱりどこか少し余所余所しい気がするんですけどねぇ。


「明日の朝まで時間を下さい。一晩考えさせてもらえませんか?」
まるで、ハンフリー・ボガートだ。(p295)

この比喩が何を指したかったのかわからないんですが……何でしょうね?


p326に登場するハンカチと、p368の「選挙用」の言葉は今でも印象に残ってましたね。
PPが何かはすっかり忘れてましたが……。
改めて読み直すとすごいなー、と思いました。(してやられた人の声)
タグ:森博嗣
posted by ルゥ at 23:53 | Comment(1) | TrackBack(1) | ミステリ | 記事編集
この記事へのコメント
初めてトラックバックがこのブログにされました(やったのは自分だけど)。

メ・スヴニールは検索にひっかかるんでそのうちあるかもしれませんが、
こっちは誰もする人はなさそうだなー、ってことで。
こんな感じで表示されるんですねぇ。ふむふむ。

「excerpt」って何だ?って思わず電子辞書に手が。
引用とか抜粋、って意味なんだそうです。なるほど。

まだまだブログは奥が深そう、と発見した一日でした。
Posted by ルゥ at 2005年09月06日 19:58
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Excerpt: やっと、『今はもうない』だと気づきました。 キーワードは「時」、ですね(ネタバレ?)。 扱ってる話題は全然違いますが、似た話の構造になってる2冊です。
Weblog: 徒然なるままに。
Tracked: 2005-09-06 19:48
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