2004年06月29日

《太陽》は人々を照らす 運命のタロット9

皆川ゆか、講談社X文庫ティーンズハート、95年1月刊。

シリーズで好きなシーンその1。p76〜80を一部抜粋。
「そういえば」
 ふと思い、あたしは運転席へ問いかける。
「お兄さん、どうしてこの『車』をシトロエンにしたんです」
「姿を変えなきゃ、公道を走れないよ」
 笑いながら大河(兄)はいった。
「そうじゃなくて」大河(兄)があたしの聞きたいことわかってていってるのはすぐに理解できた。でも、いちおう、言葉を促す。「どうして、ほかの、たとえばスカイラインとかじゃなくて、シトロエンなのかってことですよ」
 もちろん、この姿とらせてるのは《戦車》の力だ。でも、《戦車》が「拙者はシトロエンがよい」とかいって決めたとは思えない。

(略)

「昔あこがれてた女性(ひと)が乗ってたんだ」
 自分にとっての『独特の意味合い』を教えてくれた。
「その女性(ひと)がシトロエンを好きだったんですね」(なるほど)
とうなずきながらあたしはいう。つまり、坊主憎けりゃの反対だ。骨まで愛してっていうのとはちょっと違うけど。
「シトロエンが好きかどうかはわからないけどね」大河(兄)はわずかに肩をすぼめた。
「いっしょにいた男がその車に乗ってて、コンチキショウって思った」
 彼氏がいたってことだろうか――でも、そういうこときくのは気が引けてしまう。
「恋人じゃないってことはわかってたけどね」
 あたしの考えてること伝わったみたいで、大河(兄)は付け足した。
「ただ、そいつが彼女に手を出すんじゃないかって思ってた。それで、負けるもんか、ってね。おまえは俺よりちょっと年上で、シトロエンなんて外車に乗ってるだけじゃないか、って」
 そのときのことを思い出すと、大河(兄)は気恥ずかしいようだ。自嘲的な笑いを浮かべてる。
 大河(兄)の口ぶりからすると、ずいぶん前のことみたいだ。昔は昔でも、それこそまだ免許とか持ってないころのような話し方。
「それで、シトロエンですか」
「それでシトロエンなんだ」
 いいわけするふうな口調で大河(兄)はいった。バックミラーに映るあたしの顔を見てくる。今の話の感想をうかがってるみたいな目だった。
「子供っぽいと思う?」
 大河(兄)の言い様に、あたしはびっくりして首を振った。
「そんなこと思ってませんて」手まで振ってしまう。「ただ、あたしはそういう感じってよくわからないから。男の人だなって思ったんです」
 あたしの言葉に、大河(兄)は何か感じ入るものがあったのかもしれない。バックミラーから目を戻し、
「そうだな、そういうものだろうな」とつぶやいた。
この大河(兄)のいう男と女は誰のことだったか、運タロシリーズ13巻まで読めばわかるんですが……そうだったのかー、とこれは後で読み返すとしみじみするシーンです。

他に、魔法使いが人間の姿をして他の人にも見えるように霊格を落として現れるシーンがあるんですが、それがまたなかなか面白いです。でもやっぱり、魔法使いは真っ青なマントが一番似合うなー、と思うのは私だけでしょうか。

そして同人誌の即売会のシーンも(コスプレ有!)さらっと……かどうかわかりませんが、あったりします。

あと、ライコと《魔法使い》が時の縦糸の外側に飛ばされた時のシーンも好きです。
(おまえはっ!)
テレパシーは《神の家》のものだ。
あたしたちのすぐそばで輝いている。あたしと《魔法使い》を引き込んだやつは、高位の霊格の到来に驚きを隠せない。発せられる光は驚愕の波動を色濃くにじませてた。
(そうか)《神の家》はいう。(《愚者》のカードを奪いにきたんだな。貴様、またしても邪魔する気か)
 テレパシーには激しい敵意があった。《神の家》の感情を反映してか、輝きは荒々しく波打つ。
(あぁ、邪魔してやるさ)
高位の霊格は《神の家》の詰問に答えた。
(二度でも三度でも、七の七倍であろうとも、邪魔をしてやるさ)
(莫迦な)《神の家》は高位の霊格の言い様に、ますます驚く。(貴様と《愚者》の間に、いかなることが起こるか、知らぬわけでもあるまい)
(知っているさ)
即座に応じる。
(だが、《愚者》は《皇帝》の友人なのだ)
だから、彼を助ける――言外にそういってた。
(莫迦な)《神の家》は繰り返す。(その行為によって、《女帝》が泣くことになっても、よいというのか)
(泣かせはしない)
高位の霊格はきっぱりといいきった。
(そのような未来ならば、改変≠オてみせる)
自信たっぷりの言い方そのままに、光がさらに輝きを増す。
《神の家》の側にも変化が生じた。光量を増した高位の霊格へ向け、閃光を走らせる。もろに命中するのがわかった。けれど、高位の霊格はびくともしない。
(失せろ!)
怒鳴り声のような一喝が響いた。
(そして、時の縦糸の外をさまようがいい!)
《神の家》の放った閃光の、数倍の光量が放たれた。《神の家》は閃光を受け止めようと輝きを揺らめかせる。しかし、受けきれるものじゃなかった。彼我の差は圧倒的ともいえる。次の一瞬には《神の家》の姿は消え失せてた。思念の残滓さえも、あたしは感じとることできない。
(愚か者め)
高位の霊格は吐き捨てるようにいった。
(今の状態の《神の家》など、敵ではない)
この高位の霊格が一体誰なのか、ってことは次で明らかになります(以上p259〜261)。
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2004年06月28日

《戦車》が兄とやってくる 運命のタロット8

皆川ゆか、講談社X文庫ティーンズハート、94年8月刊。

これが一番古く記憶に残る運タロシリーズの本のタイトル。
市の図書館にあって、変わったタイトルだな〜、と印象に残ってた。
まさか22歳になっても大好きなシリーズとなるとは、読む前に棚で見かけてただけの時は思いもしなかったけど。

シリーズ中で嫌いな奴ベスト(?)5に入る、坂崎がここで初登場。
彼は《太陽》の協力者で、《太陽》曰く、「マスターはこわいけど、すばらしいひと」だけど、どこが!?ってな感じの人です。

そして重要な人物、グレゴリー・ラスプーチンの名と、本人の残留思念も登場。
彼は生前もその死後の残留思念も《神の家》の協力者だ。
《神の家》も《太陽》も、ライコを協力者とする《魔法使い》には敵にあたるプロメテウス。

そして、《戦車》も登場。協力者は……。とりあえず彼はティターンズで、ライコたちの味方。何でか知らないけどすごく無口な精霊。この人(あ、人じゃないんだっけ)が時々ぼそっというツッコミは面白くて好き。
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2004年06月24日

《死神》の十字路 運命のタロット7

94年5月刊、6/23〜6/24に読みました。

《節制》との戦いの続きのシーンから。
突然、《節制》とその協力者・紺屋泰三の襲撃を受けたライコですが、その場に《女帝》が現れて、彼女のアイテムの笏を借りて応戦し、《女帝》が《節制》たちを封印して、事無きを得ます。

今だからわかる伏線……女帝の台詞。
「そりゃぁね、あたしの旦那さんはちょっぴり意地悪で偏屈。おまけに、とんでもなく素直じゃなかった。でも、あたしは、ね……」(略)「そんな彼を今でも愛してるの」

その後がわかってる人にとっては重い台詞だなぁ、と思います。

唯と伊東さんの同人誌への傾倒っぷりはなかなかスゴイです(笑)
1982年当時から実際にこんなすごかったのかなぁ……?

《女帝》の女子高生姿もなかなか面白い(笑)
この辺もまた1つの伏線になってるんだなー。
フェーデを嫌がっていたライコも、結局はまた《魔法使い》と戦うことに。

そして《月》とのフェーデの開始。
ライコが前に思いを寄せていた山根君の彼女・河内さんが今度は改変≠ナ時の縦糸の枝で殺されてしまうのを防ぐのが役目。
さて今度はどうなるのかな、っていうのはまた次号で。
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2004年06月23日

《節制》こそが身を守る 運命のタロット6

94年1月刊、6/23に読みました。

《女帝》初登場。かなりの重要人物。
衣装のデザインがなかなかスゴイ(笑)まぁもっとも彼女に限った話じゃないけど。

ライコの誕生日がここで初公開。
1965年11月13日、AB型で母と父の三人家族らしい。
つまり、ライコにとっての現在というのは1982年。
私が生まれた年なんだなぁ。

唯のバイト先のレコード屋・「アカシック・レコード」の店長、和国(かずくに……例によって唯にはワコクと呼ばれてる・笑)も登場してライコと顔合わせを。
この人も今後の要注意人物。フフフ。

ライコは初恋の人・山根君と遭遇して、思いがけず告白されたけど、それは……。

そして突然の《節制》とその協力者の襲撃。ピンチに陥ったライコの前に登場したのは何と《女帝》――。
ってな感じでお話は次に。
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2004年06月22日

《月》が私を惑わせる 運命のタロット5

93年9月刊、6/22に読みました。

《恋人たち》とのフェーデに決着がつきます。
その代償として《恋人たち》は《運命の輪》によって会堂に封印されますが、その時、失ってた記憶を取り戻し、《魔法使い》に告げた言葉は――「――《魔法使い》」。「思い出したよ、《魔法使い》。」「思い出したよ、《魔法使い》。」「ラスプーチンだ……。」「ラスプーチンに気を……つけろ……。」
そんな意味深な言葉を残して、封印されてしまった《恋人たち》。
そして今後、ラスプーチンも鍵を握る人物として関わってくることに。
《恋人たち》も、またこの後のある時点で登場します。

でもって、新しいタロットの精霊、《死神》と《月》が登場。
《月》の方が、《魔法使い》にフェーデを挑むけれど、ライコは「これ以上巻き込まれてたまるもんか!」と突っぱねて……というところで終了。

まだこの頃のライコって……という感じの一冊です。
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2004年06月18日

《愚者》は風とともに 運命のタロット4

皆川ゆか、93年6月刊。

p45〜56の、ライコ・《魔法使い》・《運命の輪》の三者のやりとりが漫才みたいで(その気は誰にもないのはわかってるけど・笑)サイコー♪

そして《愚者》が初登場。彼はなんちゅーか……ユニークなキャラです。
とっても重要な役割を担うことがわかってるにも関わらず、そのシーンは第二部終了時でも描かれることはありませんでしたが(泣)
まだこの時点では協力者が明らかではなく、「石頭」と呼んでるのが面白い……その協力者は今後いろいろな苦労を背負う羽目になってしまうのですが。

重要人物の大河(兄)、荒法師こと菊沼秦介も初登場。
さてこれからが楽しみだ♪って感じの一冊です。
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2004年06月17日

《運命の輪》よ、まわれ! 運命のタロット3

皆川ゆか、講談社X文庫ティーンズハート、93年4月刊、6/17に読みました。
初読は中3の5月末の模様(正確な日付は不明)。
何故か《恋人たち》より先に読んでる。というか、《恋人たち》が「運命のタロット」シリーズでは読んだのが一番最後なのか?

今回登場した安西さん、まさか最後の最後の「《世界》。」にまで出てくるキャラだったとは……。
そして島津も、第二部の最初の方で結構おいしいところを持ってってたり、と後から読み返すと「すごい伏線の張り方」。の一言に尽きる感じです。

ライコの協力者としての儀式の際の言葉はどうやって考えたんだろうなぁ。
なんか時代がかってて、私は好きだなぁ、と思う。
「ライコよ」(略)
「栄えある『運命のタロット』の一員がここに問う」(略)
「Magecianのカードに宿る者の協力者として、Magecianこと《魔法使い》を助け、Loversこと《恋人たち》とのFehde(フェーデ)――戦いに勝利を得んことを誓うか」
 《魔法使い》はおごそかな調子でたずねた。きかれたあたしは即座に回答。
「誓う!」
 きっぱりいって、差し出されたタロットを手にした。
 その瞬間――光が生じた。タロットのカードを中心にまばゆい輝きが放たれる。それは直線的な光じゃなかった。(略)
 どこからともなく声がきこえる。いや、声って表現は適当じゃない。頭の中に直接響く感じなのだ。ちょうど、《魔法使い》が姿を現した時と似てる。テレパシー。(略)
 テレパシーの印象は女の人。かなり若い女性の声だった。あたしと同じか、やや上ってとこじゃなかろうか。ただ、言葉をつむぐ調子は落ち着きに満ちてた。声の感じより、はるかに年長なようにも思われる。
 彼女がつむいでるのは日本語じゃなかった。英語とも違う。今まで耳にしたこともないような言語だった。印象としてはヨーロッパっぽい雰囲気がある。
 初めてきいたっていうのに、なにをいってるのか、あたしには理解できた。
 「我らが輪(ロータエ)の導きと命によって」(略)
 「我らは自ら世界輪(ロータエ・ムンディ)となり、中止にあるべき『不動の動者』の外辺をまわろう」(略)
「我らが輪(ロータエ)は」
 言葉をつむいでるのは、テーブルに向かってる中の一人だった。もっとも、どんな人物なのかまではわからない。容姿はおろか、格好さえも判然としなかった。
 ただひとつ明らかな特徴がある。それはおぼろげな視界の中でもはっきりと見てとることができた。
 「輪(ロータエ)の中心に在らせられる『不動の動者』たる神が〈起これ(フィアット)〉といいたもうた日より始まり、神が〈止まれ(ペレアット)〉といいたもうであろうときに終わる」
 そういった彼女の背には翼があった。
 まっ白な天使の翼――。
 「ライコに輪(ロータエ)の祝福のあらんことを」
 《魔法使い》が静かに告げた。
そういえばこの女性は一体誰だったんだろう……?
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2004年06月16日

《恋人たち》は眠らない 運命のタロット2

皆川ゆか、講談社X文庫ティーンズハート、92年11月刊、6/16に読みました。

ストーリー説明面倒なので、帯をそのまま。
 《魔法使い》の協力者に選ばれてしまった、あたし、水元頼子は、《虫》には襲われるわ、『空飛ぶ覆面娘』にされてしまうわ、片桐先輩にキスしそうになって《親衛隊》にはにらまれるわ、もう目茶苦茶。否応なく《魔法使い》と《恋人たち》の戦いに巻き込まれてしまってたんだ。
 ――《運命の輪》まで登場してきた改変≠めぐる《魔法使い》VS《恋人たち》の戦いの行方は!?そして、頼子の片桐先輩への片思いは……?『運命のタロット』シリーズ第2弾!!
ってな感じです。

その後に関わってくる重要なキーワードが結構この本で出てきてます。
お店ではあるけれど「アカシック・レコード」や改変≠ニか。
確か作者はガンダムの関係者だったっけ?ハロのことがチラリ、と出てます(p254・笑)

p83の「俺にとって最高の存在だった」、と前の協力者を評する《魔法使い》の台詞、その後を知っているだけに、何とも胸が痛みます。
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2004年06月15日

《魔法使い》にお願い? 運命のタロット1

皆川ゆか、講談社X文庫ティーンズハート、92年9月刊、6/15に読みました。
初読は97年5月25日……中3の時のことのようです。

図書館の棚に並んでるんで存在だけは知ってましたが、最初に新刊コーナーにあった「真・運命のタロット1」を読んで、「運命のタロット」からも話がつながってる……ってことで読んだんだと思います。
確か1〜7までは図書館に入ってなくて、私がリクエストして入れてもらったような。

12年に及ぶシリーズの最初は
「好きなの」
いってしまった。
ついに、告白してしまった。
あたしの前で、彼はびっくり顔。
こんなこといわれるなんて、思いもしなかったってふう。それこそ、鳩が豆鉄砲くらったみたいな表情。
でした。
まるっきりベタな少女小説みたいですが、これはまだ序の口。
あんなややこしくて理系的な話が後々出てくるとは思いもしないんだろうな、これを読んだだけじゃ。

ちなみに、この「あたし」というのが、本編の主人公、水元頼子(みなもとよりこ)=「ライコ」なのです。
ライコ、というのは頼子の親友の碧川唯(みどりかわゆい)によってつけられたあだ名ですが、この名で精霊たちの間でも「ライコちゃん」「ライコ嬢」と呼ばれるようになります。

冒頭の告白シーンは舞台監督を務めていた中学の演劇部で、演出の山根君へのもの。
残念ながらライコは振られてしまい、その後、彼とは別の、私立円海学園に入学し、親友の唯、後輩の大河譲、そして憧れの先輩、片桐洸一にも出会います(以上みんな新聞部)。
そしてある日、取材で20年間封印されていた学校の資料室に入ったライコは、ふとしたことからタロットカードの封印を解いてしまい――。

すべてはここから始まったんだなぁ、と思うと感慨深いです。
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2004年06月07日

《吊るされた男》、そして… 真・運命のタロット8下

皆川ゆか、講談社]文庫ティーンズハート、04年5月刊、6/7に読みました。

21番目のタロットの精霊、《吊るされた男》登場。
だんだんと謎が解明されてるのか、それとも謎は深まっていってるのか。
時間を移動できるために、今回かなり頭がこんがらがってます(^_^;)
一体これはいつの人(或いは精霊)なんだー!?と。

《女教皇》の転写のシーン……機械だったのか!?
どういうきっかけでタロットの精霊が生まれ始めたのかは、最終作で明らかになるんでしょうか。

今回は大河が頑張ってたなー。公式サイトのBBS(だっけ?)で、この人も将来某精霊に……?という説が出てて、ついその方向性で見てしまいましたが、でも何か違うような。言葉遣いも全然違うし。

《愚者》の以前の協力者があの(と言いつつよくは知らないけど)ニーチェだったとは。
史実を持ってきて、うまく絡めたなぁと思いました。
ニーチェが1889年、トリノで昏倒して、以降精神に異常を来たしたとのことですが、その事件を扱ってます。
《愚者》といるところをタロットの精霊に襲われたため、という設定になってます。
この本のおかげで、ニーチェが『ツァラトウストラはかく語りき』の作者だということは一生忘れないでしょう(笑)
ちらりと出てきたルー(ルー・ザロメ)は以前桐生操の本で読んだかな。

ライコの記憶が戻った瞬間のシーン、ちょっと筒井康隆の七瀬シリーズを思い出しました。文字の扱い方が何となく似てる?とりあえず、《魔法使い》といい雰囲気になったのは嬉しかったです。やっぱキザな男だ(笑)。

《星》の協力者の、リンダ・ウェーブに関しては同情してしまいました。
彼女と似たりよったりの運命を辿った人(或いは精霊)はこのシリーズでは珍しくはないのだけど。

今回は、消えたはずの人物が出てきて驚いてるところで終了しました。
そして、残るところ、7月刊の「《世界》。」の上下巻で終了です。どんな結末が待っているのか……今からドキドキハラハラです。
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2004年05月31日

《吊るされた男》、そして… 真・運命のタロット8上

皆川ゆか、講談社]文庫ティーンズハート、04年5月刊、5/31に読みました。

待望の新刊です。未完のまま終わるのか……?と危ぶんでたシリーズなので、再開は嬉しい限り。
何しろ、99年2月で止まってたんで、もう5年ぶりですから。

水元頼子(みなもとよりこ)ことライコが、ある事件をきっかけに、《魔法使い》のカードの封印を解いてしまい、協力者となってしまったことから事件が始まります。
このカードは、元は人間ですが、どういうわけかカードに「転写」されてしまった存在です。
人間だった時の記憶は持ってる人もあり、ない人もあります。
そして、このカード達は運命を守ろうとする「ティターンズ」、運命を改変しようとする「プロメテウス」に分かれて争っているのです。中立の人も2名?いますが。
カードには人間でも精霊でもどちらでもOKですが、協力者がいます。精霊も協力者も独特の能力を駆使します。中には時間移動を可能とする精霊もいて、そのおかげで話が複雑になってます。未来と過去の人物が同時に存在することもこの話ではアリですから。

このシリーズのおかげで、私はプロメテウスを知ったし、エントロピーの増大を知ったし、虚数を知ったし、「改変」という言葉を知りました。
でも、タロットカードの名前はこのシリーズに出会う前から知ってました。
ちょっとこのシリーズは名前の付け方が独特、と思うのは、
《魔法使い》→魔術師、《恋人たち》→恋人、《神の家》→塔、があります。

絵は少しおたくちっく?な少女漫画風ですが、内容はなかなかどうして、と複雑に入り組んでます。
今回、科学者の方々が話してるところは、読み飛ばすしかなかったし。
最早私の脳でついてけるレヴェルではないです。

あんまり久々だったんで、昔の内容をところどころ忘れかけてました。
でもやっぱり、《魔法使い》とライコのコンビは好きです。
早くライコには復活して欲しいものだけど、その後の運命も既にわかってるだけに悲しい。
読んだ翌日にネットで後編の内容を先取りしてしまい、余計に悲しい。
そして私が思いもしない説(この人がこの精霊に?)を展開してる人がいたんですが、真実はどうなんでしょう?

今回の描写は何か今までになく際どかったです。
《悪魔》とカインって一体なんなんでしょう?人間時の《悪魔》とカインの関係が今回暴露されてましたが。

復刊ドットコムで、運命のタロットシリーズの復刊が呼びかけられてました。
なんかそれを見てたら、私も古いのが読み返したくなりました。
地元の図書館に部分的に入ってたんですが、私がリクエストして全部揃えさせた……という過去アリです(笑)
もう閉架にいっちゃってますが、出してもらおうかな。
それとも、また古本で見かけたら買っちゃおうか。
悩めるところです。それとも復刊を待つ?

完結が待ちどおしいような、終わるのが悲しいような、複雑な気分です。
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2004年05月16日

楽園の魔女たち〜楽園の食卓(中編)〜

樹川さとみ、集英社コバルト文庫、04年4月刊、5/16に読みました。

前作で、後編で完結、と予告があったんですが何故か中編です(笑)

まぁでもまだ彼女達の活躍を見られる機会が増えて良かったとするべきでしょう。えぇ。
しょっぱなのファリスとフレイ少佐の掛け合いが最高です!相変わらず鈍いファリスに乾杯(笑)
最高にツボだったのは169ページからのフレイ&ファリス。
「どこか具合でもよくないんですか?」
「ぼくが?気にしないでくれたまえ。すべてが終わったら話すよ」
「えっ。でも、つらいのなら、どうかがまんしないでいってください。術は使えなくても治療の心得くらいは――」
「………………ファリス」
「はいっ?」
「後悔するよ。あんまり、そういうことをいうもんじゃない。ぼくにも限界というものがある」
 目の前にたってそういわれると、とてもこわかった。
 眼が――あの鷹のような眼がこわい。
 思わずあとずさると、その一歩の距離をフレイはつめた。
「フ……、しょ、少佐?」
「気づいてるかい。きみは緊張すると、ぼくのことを少佐と呼ぶね」
そうだったのか――!と眼を見ひらくファリスの肩ごしに、彼は右手をついた。うしろは壁だ。もうこれ以上さがれない。
「いってくれ。ぼくの眼をみてはっきりと。ぼくのことなんか嫌いだって。そしたら、ぼくはもうこんなふうにきみをこわがらせたりしない。約束するよ」
「こ、こわいわけじゃ……ないです。えええ、もちろん――」
この後、更に面白いことになるんですが……。
最終回にはいい加減ファリスもフレイの気持ちに気づくといいな(笑)
たぶん、誰もこのシリーズを知ってる人はいないと思うんで解説すると、最初に知り合った時、「フレイは男が好きだ」とファリスが勘違いしたため、よもや自分に対して好意を持ってるとは思ってないんですよね。あながち、それは間違っちゃいないんですが、フレイは別に男だけじゃなくて……ということで。一度受けた誤解は延々と解けないようです(笑)
意外な場所で意外な人と再会したために、ファリスは大変なことになるんですが。そんな時でも黙って見守ってくれてる少佐。いいなぁ♪(壊

今回は帝国皇女・ダナティアもまたぶっ飛んでて、いやはや。
帝国とノヴァの戦争を止められることはできるのか?離れてしまった魔女たち4人の運命は?後編のゆくえはいかに。
作者の予告だと、永遠の二十一歳(実は百をとうに超えてる?)師匠のエイザードの名前の意味がラストで明らかになるそうです。
まだいつ出るのかは未定なようで、発表が待ち遠しいです♪
今回も少佐のイラストはなかったんで、次こそ、と期待しつつ。
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2004年03月28日

伯爵と妖精 あいつは優雅な大悪党

谷瑞恵、集英社コバルト文庫、04年3月刊、3/28に読みました。

新シリーズの開幕、なんでしょうか?
とりあえず独立した本になってます。

タイトルに妖精、なんて入ってる通り、ファンタジーものです。
リディアという、妖精と話せる「せっかちで負けん気の強い性格
だが、お人よし」な少女が主人公。

彼女は亡き母の後を継ぎ、「妖精博士(フェアリードクター)」
という職業に就いてます。

父親は大学教授で離れて暮らしており、久しぶりに父に会いに
ロンドンに行く道すがら、伯爵を名乗るエドガーに船から連れ出され、
宝剣探しに協力させられる羽目に……。ってな感じのお話です。

個人的に、エドガーみたいな人はツボでした。
普段は飄々としてて、何を考えてるか読めなくて、振り回される
リディアは大変でしょうが(笑)。
しかも、伯爵を名乗ってるエドガーの正体は実は……。だし。

でも、ふとした時に見せた陰の部分を放っておけなくて、
最後まで宝剣探しに協力するリディア。

度々、歯が浮くようなエドガーの台詞は笑っちゃいますが
でも違和感がないというか憎めないというか。
「そう。なら、目覚めたときに運命が決まるわけだ。きみが目の前から消えたなら、僕の命はそれまで……。ああ、悪くはないな。僕の運命はきみのもの。情熱的な愛の言葉みたいじゃないか」
「彼女がそばにいて、この愛の熱を少しでも冷ましてくれなければ、きっと僕はすぐに死んでしまいます」
「僕にとっては最高の女の子です。彼女しか、深い愛で僕を救ってくれる人はいないでしょう」
下の2つはリディアの父親とのやりとり(すぐ隣にリディアはいるんですが)。
明らかにからかって楽しんでますね。

個人的に一番ウケたのは73〜74ページのリディアとのやりとり。
わかってるくせに、性質(たち)悪すぎ!なエドガー(笑)。

小説ではこの手のタイプの人は大好きですが、現実にもしいたら
どうなんだろう……?(笑)
タグ:谷瑞恵
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